年賀状を投函し、店の掃除を済ませ正月飾りもOK。
テレビ・ラジオがしきりに脅す晦日の大寒波にも4輪スタッドレスにチェーンも携行して準備万端。一旦家に戻りひと風呂浴びて出発!
スッカリ暗くなった山陽道に乗り、いつもよりトラックが多いねと話しながらも順調に走ります。

本州最後の壇ノ浦PAで休憩しましょう。
わたしゃ招福そば、カミサン招福うどん。(下関ではフグのことをフクと呼び福と掛けます。)
さて出て来た招福うどんにそば。
小振りなれどフグの天婦羅が乗せられて中々美味。
コレお薦めです。

関門海峡を渡りイヨイヨ九州。
ココまで来てもなお行先が決まっていません。決まっているのは晦日に大分市内府内町『十割蕎麦よし松』での忘年会だけ♪
一気に南下して指宿辺りまで走ろうか、2000年の蘭灯祭り以来ご無沙汰な長崎辺りに行ってみようか・・・
九州道も順調でとうとう鳥栖JC手前の基山PAまで来てしまいました。
このまま南なのかはたまた西に向かうか決めなくてはイケマセン。

朝のパンを仕込もうと基山PAのローソンに入るとハンバーガーが目につき、明日は『佐世保バーガー』と即決。
ペチャペチャとクッ喋る自販機に眠気覚ましのコーヒーをドリップして貰い、長崎道に入ります。それでも交通量がグンと少なくなるとだんだん眠くなり金立SAで寝ることにしました。
ヨシ!寝覚めは武雄で朝風呂と洒落込みましょう。

目覚めると辺りは霧雨にけぶっていました。
長崎自動車道を武雄北方ICで降り古湯『武雄温泉』。
大正四年に建てられたと云う朱塗りの楼門をくぐり温泉へ。
ここでは江戸中期に武雄鍋島藩主専用に造られた総大理石の立派な風呂に、世も移ろう今われわれも大威張りで入れます。
その名も『殿様湯』。一時間貸切で3800円也。ヽ(^o^)丿
兎に角一見の価値あり。とても見事なお風呂ですぞ。

と書きつつも、モチロンわれわれが浸かるのは朝6時半から入れる大衆浴場元湯300円也。(^^ゞ
湯上りはじじばばに混じり『ちりとてちん』を見てユルリと出発です。

武雄南ICから西九州自動車道に入り佐世保の街へ。
時間帯がズレいささか閑散とした朝市を冷やかし、岸壁から桟橋や港内に停泊する自衛艦や米軍艦を眺め、海上自衛隊佐世保史料館に向かいます。
残念、史料館はお休みでした。

それではソロソロ『佐世保バーガー』とイキますか♪
海上自衛隊佐世保地方総監部脇のHIKARIをチョイス。店先には近隣の工事現場のおニイちゃんたちがたむろ。10時のお八つ?
カレらが買うのを待ち、わたしゃベーコン、カミサンチーズ。
旨かったですよォ〜♪

お目当ての史料館が休館と云う事でコインパーキングにクルマを置きアーケード街へ。って何のこっちゃ。(^^ゞ

長い長いアーケード街。米海軍人の子女でしょうか、米語でくっちゃべるコギャル連中が居たり、地元産品『西彼とれたて処』にオバさま方が群がっていたりと結構賑やか。
ふと気がつくとカミサンもオバさま方の中に分け入りアレコレ吟味していましたヨ。
わたしゃ仕方がないので、表でブラブラ。
中々出て来ないので入ってみると、カミサンは冷蔵ケースの前で金縛り状態・・・
視線の先には飛びっきり美味しそうな刺身がズラリ。コレはもう買うまでココを離れんでしょう。

ふんじゃコレを昼食にしようと云う事で話が纏まり、鯛に烏賊にちらし寿司、ついでに煮付けと買い込みました。
本当はもう一店佐世保バーガーを賞味する積りだったんですがね・・・
さて何処で食べようコレ。

その後もあちこち冷やかし捲るカミサンを捨て措きとっとと進みます。
アーケード街を抜けたところで辺りを見渡せば、道の向うに『とんねる横丁』と云う看板発見!
何やら面白そうです♪ マタマタ和装店の店先で引っ掛かっているカミサンを呼び寄せ歩道橋を登ります。

歩道橋から見下ろすとヤタラ奥行きが短い建物ばかり。
バーも立ち飲みすら出来そうにない奥行き。
商店を覗けば奥でお婆ちゃんがあご天でしょうか練り物を揚げています。
って? どう見てもお婆ちゃんが居るところは建物より向こう側なんだよな・・・?? どの店も外観の割に奥行きが深か〜いのです。

どうやら丘に掘られた防空壕をそのまま使っている様子。戦後不要になった防空壕を有効利用して店構えだけ貼りつけたんですね。
『戸尾市場』成り立ちも面白そうですが、市場の風情はとっても素晴らしいし何てったって安い!
アァ〜、刺身も寿司もココで買えばヨカッタかな・・・(^^ゞ

とんねる横丁を後にして弓張岳展望台に向かうことにします。
ココで九十九島を見下ろしながら鯛や烏賊を賞味しようと云う算段。

駐車場からクルマを出しアーケード街直ぐ傍の住宅街から始まる狭い登山道を登り詰め展望台に辿り着くと其処はガスの中。
九十九島までの眺望は利きませんでしたが、眼下に米海軍基地。湾内には自衛隊や米海軍の艦船がいっぱい。
世が世なら立ち入り禁止だなコンなトコロ。
何はともあれ刺身刺身。
喰ってると、猫は来る犬は来るとクルマの廻りは千客万来。(^^ゞ

食事のあともガスは晴れそうにもなく、九十九島の眺望に未練を残しつつ山を下ることにしました。
途中の分岐を右に取りドンドン下ると『西海パールシーリゾート』。
ここは中々のモノでした。景観もさることながら地形を上手に使った施設も素敵。
みれば帆船風に設えた大きな観光船でのクルーズ千二百円。
コンナ偽物なんて乗りたくないし・・・(^^ゞ

もう少しブラブラしていると九十九島リラクルーズが一人二千円とあります。
そのフネはと桟橋をみればフロリダ辺りで良く見る平底のベイボート。
おまけに大きなウインドウブレーカーがつけられ、間違ってもカッ飛びそうにはないスタイル。コレは乗りですね。

ミーハー夫婦だけの貸し切り状態で『海月』は桟橋を離れ、島々の間の大型船が入れない浅瀬を進みます。
ハルはトリマランで喫水は超浅かつ舷側でも浮力十分。浅瀬に進入できるし、ヒトが片側に寄ってもフネはコロコロしなくてイイ感じ。
入り江では自宅前のプライベートポンツーンにクルーザーが係留され、庭にはディンギー。羨ましぃ〜

素敵な景観を堪能しオカにあがると牡蠣を焼く香ばしいケムリが辺りに漂います。これも食べたいとは思うのですが、それより先程見掛けた『あごラーメン』の看板が気になるのです。
ニシン蕎麦の鰊のように『あご』(トビウオ)が乗っているのか、それとも『あご出汁』なのか・・・ 謎だ♪
ココはやっぱり食べてみなくてはイケマセン。(^^ゞ

二人がラーメン一杯ではアレなので、ココアも頼んでルンルン。
旨ぁ〜い! 出汁が『あご』でした。旨味たっぷり香りも上々♪
ココアも大量でお腹パンパンになっちゃった。

パールシーリゾートがある入江の奥には『佐世保シーカヤックセンター』
ここではシーカヤックで九十九島を巡るガイドツアーを催されています。
このツアーにコンパスRVから申し込めば楽しい特典もありますのでお問い合わせくださいね。

満腹のおバカは腹ごなしに暫く辺りを散策し、さて何処へ行こうかと思案します。取り敢えず西海橋方面に向かいましょう。

日本三大うず潮と称される針尾瀬戸。大村湾の干満がこの狭い瀬戸をだけに担われるのですから潮の速さも格別です。


ハウステンボスを丘の上からチョットだけ眺望しパチリと一枚。

更に南下し長崎市内に入ります。長崎と云えばチャンポンに皿うどん、はたまた卓袱料理か!
いやいや『トルコライス』があるとカミサン。それじゃ晩飯はソレにしましょう。
向かうのは眼鏡橋と思案橋の間の万屋町『グリルアストリア』。この辺りにもバブルの後遺症かコインパーキングがいっぱい。

愛車は難無く駐車場に納まり徒歩で散策がてら探索。店は判り難く、お歳暮の配達で忙しい飛脚のお兄さんを呼びとめれば、なんと店の前に立っていました。(^^ゞ
さて、そのトルコライスと云えば想像以上のボリューム。余りの量にちょっと怯みましたが、味も濃い目でして旨ければ量も喰えるもんですね。
  *残念ですが『グリルアストリア』さんは2010年4月18日をもって閉店されたそうです。*

クチクなった腹を抱え今夜入る風呂を思案橋♪
この辺りに余り魅力的な温泉が思い当たらず、久々の長崎観光は何れランタンフェスティバルに預けることとして、島原半島は小浜温泉に向かうこととしました。
ちなみに平成20年の『長崎燈繪』は2月7日(木)〜21日(木)。
とっても素晴らしいお祭りです。
路面電車沿線は平和公園近隣の各大駐車場が24時間使え(地上部のみ)パーク&ライド&車中泊も万全?
チンチン電車から眺める長崎の街も中々乙ですよ。みなさんも是非。

渋滞のR34からR251に移り、R57に出るチョット手前で唐比温泉と云う看板を見掛け寄り道♪ もう営業が終了していたようでした。
何だかだで小浜の街に辿り着いたわれわれは『HNK普段着の温泉』にも登場した国道脇の『浜の湯』の前で一瞬アクセルが緩みましたが、そのまま通過して『おたっしゃんの湯』(脇浜温泉共同浴場)。
ここは道も駐車場も狭いのでチョット苦労します。幸い国道脇の体育館駐車場が開放してありました。徒歩2分です。
いやぁ〜イイお湯です。こちらも掛け値なしの普段着の温泉♪
ポッポと温まったところで港の有料駐車場に移動し、おやすみ。

駐車場は出勤してくるホテル旅館の従業員のみなさんで朝も早くから賑わいます。
今日の朝湯は海上露天風呂『茜』。

浴槽は橘湾に面した防波堤の切れ目の外にあるのです。
知床羅臼の『相泊温泉』や函館恵山岬の『浜の湯』に似た雰囲気。特に『浜の湯』は中の造作からしてよく似ています。
イイお湯に満足満足。

『茜』の番台でカミサンが貰った小浜温泉案内の中に炭酸泉源泉と云う記述あり、興味津津。
地図では裏の山手の中学校の傍に黒丸。チト遠いなかとクルマで向うことに。
中学校の脇にクルマを停め付近を歩き回りますが何とも判らないのです。

野球部の朝錬に集まってきた男の子に聞いてみると「コレを降りてください。」と急峻な山道を示します。
「炭酸泉からココに戻るのは大変かい?」と問えば逡巡なく「はい!」・・・
野球部の朝錬に来た元気な中学生が「大変かい?」に「はい!」と即答するほどの坂。
冗談じゃありません。

ここで老眼鏡を取り出しカミサンの持つ案内図をよくよく睨んでみれば、ココだと思い込んでいた炭酸泉源泉井戸の説明文横の黒丸から浜の二本裏手の通り辺りにスッと微細な線が引かれています。
なんと炭酸泉は温泉街のすぐ裏手にありました。トホホ

高齢化社会に追いついていない案内図でしたヨ。

小浜町歴史資料館も訪れましたが資料館は休館でした。
敷地内の源泉井戸を見学します。

いいところでした。
今度は資料館が開いているときに是非訪れたいモノです。

ここで島原半島南側を半周するか雲仙に登るか思案します。
山を仰いでみればガスも無くイイ感じ、雲仙に向かうこととしましょう。

R57を雲仙目指して登ります。6速ATインタークーラー・ターボDは登坂車線で居並ぶセダン蹴散らし一気にゴボウ抜き、快調快速もりもり元気!
抜かれたセダンが目を丸くして見ていたとはカミサンの弁。
サァサァ久しぶりの雲仙です。今日は古湯にどうしても浸からなくっちゃ。

R389との分かれで濃厚白濁の小地獄温泉にチョット気を惹かれはしましたがザクっと振り切り、熱〜い新湯の下でも曲がらず、雲仙地獄の駐車場にも目を呉れず真っしぐらに古湯。

先ずは『別所共同浴場』百円。湯船は階段を降りた正統派。淡い硫黄臭。

続いて『湯の里共同浴場』。素敵な脱衣場を味わい浴室へ、大きめの浴槽に少し碧がかった濃くて重ぉ〜いお湯が掛け流されます。
なんとコレも百円。 お湯が臭い臭い臭いゾォ〜♪

しっかり硫黄の臭いを身体に滲み込ませたおバカ共は余裕をとり戻し雲仙地獄へ温泉卵の捕食に向います。イヤ”散策に”ですた。(^^ゞ

地獄蒸し卵5つで300円也を食します。食べていると隣の一家はチョット甲高くて強い訛り。北京語ではないな。台湾でも無さそうだし・・・
雲仙は元々欧米人の避暑地として開けたそうですが、何だか家族連れの半分近くは洋の東西を問わず外国の方みたいでした。
雲仙地獄をフルコースで廻り新湯共同浴場の傍に降ります。一休みしようと思っていたビジターセンターはR57の西側に移転し『雲仙お山の情報館』にリニューアルされていました。
しかし雲仙は凄い。
左の写真、雲仙地獄の遊歩道ではありません。れっきとした国道57号線の光景です。
車道の側溝や歩道から道端からと至るところからシュウシュウ・ボコボコと噴き上げられる噴気はコレぞ正に地獄絵図!

風が北に廻り随分寒くなってきたのでそろそろ島原に降りることにします。

島原の街に入りフェリー乗り場を行き過ぎ湊新地。
狭い水道の向うにはオカに沿って長く延びる小島。天然の良港です。
岸壁に雁木を残す風情ある一角に漁人市場『とっとっと』。
隣には『殿さん蔵』(とんさんぐら)と呼ばれた島原藩主の御用蔵を使った『とっとっと食堂』。
ステージも設けられた客席部分は5〜60坪はありましょうか。厨房も大きくとってありましたから余程大きなモノです。
地モノの魚をいただき満足してフェリー乗り場へ。

今回は島原から熊本に渡る積り。元々R57の海上部分は国道航路として南に向い宇土半島三角港で再びR57に接続していたのですが、熊本港の開港に伴いその役目を終えたそうです。
乗り場に着けば、何故か丁度出港する便が2割引きと掲示してあります。
整理の方はコレに乗るのか次に乗るのかとエラク念を押すのだけど・・・。
何が何だか判らないまま、まっ利用が少ない便だから値引きして客を誘うのだなと悦んで乗りました。

乗船すると人々が売店に並んで何やら買っています。
レア物でもあるのかと覗きこんでみますが、受け渡されるのは何の変哲もない『カッパエビセン』。
コレは我が広島発祥の駄菓子な筈で島原所縁のモノでは無いですよね。
島原航路限定品なのだろうか・・・?
謎の多い航路です。
程なく出港したフネ。寒いのに人々がデッキに出て行きます・・・??

謎は直ぐに解けました。

凄い! カモメがフネを追って群れ飛び、人々が差し出す『エビセン』を見事に咥えていくのです。
船脚とシンクロして飛びながらシッカリと指先の『エビセン』を見据える目。
コノ目は一見の価値がありますゾ。

群れ飛ぶカモメと戯れるうちに熊本港が見えてきました。
すると、このフネと入れ違いに島原港に入った高速型のフェリーが左舷を追い越して行きます。あぁコレだったんだ2割引き。

でもヤツにはカモメが群れてないな。(^^ゞ
この旧いフネのこのゆったりとした船脚がカモメとの戯れを許して呉れるのですから、値引きどころか”プレミア払っても” と思わせるほどの値打ちがありますね。

熊本港に揚がったわれわれは田園地帯を突っ走る県道51を通り、真っ直ぐ東バイパスに入り再びR57で大分を目指します。
雪が積もらないウチに阿蘇越えをしようと云う按配。でも熊本は暖かいな・・・

阿蘇では『阿蘇望橋』を見てみようとカミサンのリクエスト。
R57はとってもスムース。阿蘇谷を無事通過、外輪山東側の尾根を越え波野の道の駅を過ぎた辺りから農免道路に入ります。
田舎道にナビは不便ですね。国道よりウンと立派な農免道路があるのに広域画面ではサッパリ表示せず、拡大画面でもヤットこさ細〜い線で表示されるのみです。
さて、肝心の『阿蘇望橋』。
何の為に造られた屋根だかヨク判りませんでしたが、大層立派なモノではありました。
記念写真を撮って出発!


暮れなずむ路を走り再びR57に出て波野の道の駅まで戻ります。地元産品をアレコレ物色し、レストラン神楽苑を覗くと蕎麦が旨そうです。
わたしゃゴボ天蕎麦、カミサン地鶏蕎麦。
ここのゴボ天蕎麦凄い!何たってゴボ天の量が半端じゃありません。揚げたてでしたから残り物をブチ込んだ訳ではないですよね・・・。
地鶏蕎麦も鶏肉タップリでした。
出汁は椎茸が効いていて深みを感じる味。一昔前に国道端の食べ物屋では到底味わえなかった上々の出汁でした。満足満足♪

さてと、お風呂は何処にしようか。
レジでお姉さんに「一番近いお風呂は『荻の里』?」と問いました。
するとお姉さんは「あぁ・・・ 近い・・・ ですケド・・・ 」と歯切れが悪い。
「例えば?」と水を向ければ「ウブヤマの『オユブネ』なんかも・・・ 」

おっと出ました『御湯船温泉館』。泉質多彩なこの辺りでもとりわけ好きな温泉。湯治棟がいつも賑わうホントに風情のある温泉なんです。
若いのに渋いねぇ〜お姉さん。
奇麗で今風で大きく且つ立派な施設を却下して『御湯船』を薦めるあなたのセンスにオヂサンぞっこんです。ヽ(^o^)丿

スッカリ暮れた路を走り産山の村を抜け御湯船温泉館♪
柔らかくゆったりとしたお国言葉に相槌をうちながら目を閉じると、身も心も茶褐色のお湯にとけていきます・・・♪
(以前、友人が主宰するウエブサイトに投稿した御湯船温泉館評です。)

さて、今夜の野良寝は何処にしようか。
段々冷えてきてヤッパリ明日は雪が積もりそうな気配。このまま大分に降りるかこの辺りに留まるか。
長湯に出来た道の駅を一寸ばかし偵察に行くことに。

着いてみると、御前湯から県道を渡ったところに造られ中々ご機嫌な施設でした。
準備万端4輪スタッドレスにチェーンも持参。少々の雪はノープロブレムとばかりに野良寝はココで決定。
岡崎のベガと熊本のジルが既にご就寝。夏タイヤだなこのヒトたちは・・・

とても静かで気持ちよく寝かせて貰いました。
目覚めてみると雪は降っていませんが辺りはしっとり濡れています。

さぁ風呂だ風呂だ、6時から開いている『御前湯』。
好いですよココ。

折角の冬支度です。雪のない長湯をでて、久住高原に向かうと其処は一面の雪景色。
レゾネイトクラブの辺りには夏タイヤの乗用車が斜めになったり側溝にハマったりして雪の中に放置してあります。







牧場では馬が雪の上を元気に走っていました。
写真を撮っているとドンドン集まってきました。背中には雪が積もっています。
吹雪いてきたので長い睫毛で見つめて呉れる馬さんにお暇を告げ、R442にでて山を下ります。
忘年会にはちと早すぎます。佐賀関にでも行ってみますか。

久住高原は吹雪いていたのに瀬戸内側の海岸線は青空さえ覗く好天。

佐賀関に来ればやっぱり関サバ関アジですね。ご贔屓は『よしだ会館』。
ココは漁師が一本釣りで仕留めた魚を吉田水産の生け簀に放し、あげたてをさばいて呉れます。

別府湾越しに国東半島を眺望するなど景色も良く我が家お勧めの一店なのですが、内緒で来た事を年寄りが知ると・・・(^^ゞ













サバを一尾頼みました。
二人では多すぎるので片身は『りゅうきゅう』(漬けですね)にして貰うコトに。
いやぁ〜喰いも喰ったりサバ一尾。りゅきゅうはご飯に載せて食し、最後は熱いお茶をぶっ掛けて流し込みます♪
じいちゃんばあちゃんゴメンなさい。m(__)m

パンパンの腹を抱えブラブラと港方面に。
佐賀関の道の駅が見えてきました。やっぱりそっくりです。
この夏、デジャブかと頬をつねったほどよく似た追分ソーランラインの道の駅江差。
海面から少し高くなっていることを除けば全体の配置から建物の体裁までが瓜二つでしたヨ。

岬の先端、豊後水道速水瀬戸を見下ろす関崎まできました。
右下に高島、向こうには佐田岬、もうそこは四国です。
三崎港を出て来たフェリーが半島の蔭を抜けて速水瀬戸に差し掛かった途端、強力な潮に流され遅々として進まない様子を眺めていました。
カミサンはここでもフェリーに興味を示しますが、乗れば四国に行っちゃうって分かってるんだろうか?
北風がどんどん強くなって来たので岬を降りることにしましょう。

大分方面に向かいます。
R197沿いで『舞子浜温泉センター』の看板をみつけ右折。この名前は友人に聞いたことがあります。
入ってみると施設は所謂センター系ですが、お湯はしっかりとした食塩泉が掛け流され、湯上りに体全体がポッポと温かい好いお湯でした。

そろそろイイ時間。今日の宿に入りましょう。
大分市内のど真ん中。大分駅の近隣に自家源泉のお宿。
建物や設備のコトは聞かないでください。
兎に角お湯が良いのです。コーヒー色のモール泉。
う〜ん満足満足。

今夜の忘年会の会場は『十割蕎麦よし松』。
宿で落ち合った福岡の友人に初対面の愛知の若者と連れだって徒歩で出掛けます。行き掛けの駄賃に錦温泉。自家源泉の銭湯。
12月のリニューアルで脱衣所はヒノキの香り。浴室に入ると何と浴槽で携帯電話を手に持つ小僧。一心不乱に親指をうごかしています。
おぢさん久々にダバッと波を立て浴槽に入ってやりましたヨ。携帯小僧は気に入らなかったケド、好いお湯でした

温ったまった体でよし松がある府内町へ。ここはパルコやトキハデパートなどが集まる地域。晦日というのにとっても賑やかです。
忘年会は気がおけない仲間が大分・福岡・広島・愛知・埼玉・東京と各地から。
夜も更けるまで蕎麦尽くしの料理と酒と会話を楽しみました。
一軒はしごして今夜は畳の上でおやすみ。

早くに旅立つ友人を見送り、朝湯を戴き、ユックリ旅立つ若者に見送られ移動開始。
二度目の朝湯は『三川の湯』。建物はセンター系なれどお湯は濃い塩化物泉をバンバン掛け流しと、ゆうべ『よし松』のかみさん一押し。
あっ、一押しは他にもあったのだけれど書けません・・・(^^ゞ
食堂街があったりゲーム機の音が賑やかだったりと、聞いた通りのよくあるセンター系でしたが、お湯はとっても素晴らしい。二重丸
北に向い『王子温泉』。
4時からと云う事で空振り。元フェリー乗り場を再開発したミニベイエリアを冷やかし、別大国道を北上します。

いよいよ別府に入りました。
由布岳・鶴見岳の裾野に広がる日本一の湯の街。
何だかだと仰るみなさんは多いですが、湯の量にせよ井戸の数にせよ浴場の数にせよ、およそ日本全国並ぶ街は無いでしょう。
何より多種多様な泉質には驚くばかりです。

先ずは昨晩話題になった『照湯温泉』。
4〜5年前のお正月、温泉通の友人に連れられ初湯をいただきました。
ここも武雄温泉の『殿様湯』同様に『豊後森藩の殿様』の浴殿をそのまま使っているそうでして改築するまで長きにわたり混浴だったそうです。
ちなみに姫様の湯は殿様の湯のレプリカで新設。
由緒ある『殿様の湯』と新設の『姫様の湯』は隔日男女交代で、元旦は『殿様の湯』には赤い暖簾。
でも『殿様の湯』って看板があればついソチラに足が向きます・・・(^^ゞ
もちろん『姫様の湯』もかわらずイイお湯でした。

天気予報が頻りと大雪の年越しを叫ぶので臆病者は今夜も宿をとりました。
宿は別府の駅前地区で海門寺温泉の真ン前と云う別府きっての繁華街ですから駐車場は余り大きくない筈。
他の客がチェックインしないウチに置いてしまいましょう。
行ってみると意外や意外、露天部分も広くて楽チンでした。
それでも3時を過ぎると込み合うかもしれないので其のままフロントに挨拶してmy桶小脇に街へ繰り出します。

先ずは目の前の『海門寺温泉』
澄んだ湯が掛け流され、框からサラサラ溢れます。
掛かり湯を浴びればコレが熱いの何のって!
軟弱モノは独りっきりを良いコトに、あとの方に遠慮しつつも框の蛇口からチョロチョロ冷水を注ぎ、その傍に身を沈めましたヨ♪
でも嬉しいことにコノゴロ別府では公衆浴場には何処も『浴槽適温42度』と掲示してあります。温度計など無いけどね・・・(^^ゞ

湯上りはチョット遅めの昼食。
北浜のアーケード街の一本裏通り『ぎょうざの湖月』に向かいます。残念、お休みでした・・・
隣の食堂でチャンポンを食すことに。仕方なく入ったお店でしたが中々の味と量は嬉しい誤算でしたヨ。

食後は腹ごなしに北浜楠港址に出来た『ゆめタウン別府』。
コレは広島の会社でして、九州ではジャスコとドロドロの出店競争を繰り広げ、地場のみなさまには大変ご迷惑をお掛けしております。m(__)m

my桶持ったまま店内をパトロールし、3階のフードコート窓際へ外向きに設えられたカウンターテーブルでソフトドリンク片手に別府湾を展望します。
店そのものは何の変哲もない今ドキの大型ショッピングセンターですがココだけはちょっと好かったかな・・・?

人ごみに疲れ、クルマに戻ればもうチェックインの時間。
禁煙室を頼んでいたので部屋はスッキリ。今時珍しくはありませんがLAN完備。これで年越し一室8800円でいいのかねぇ〜

しばし部屋で休憩しバスで探訪に出掛けようと話していたのに、心地良さでたっぷり休憩してしまいました。
何もしなくても腹は減ります。
またまたmy桶小脇に抱え風呂支度万端でブラブラと北浜の街へ繰り出しましょう。

出て直ぐに背中合せの『春日温泉』に向かいます。
建物は風情良く、お湯も中々のモノでした。

今夜はクルー時代からお馴染みの北浜『とよ常』でお造りだ天ぷらだと話していたのです。
でも、湯上りには何故か『大谷うな重』と云う話しになっていました。
ココはこども達が小さいころによく来ました。やよい通りの安くて旨い鰻屋。
カミサン蒲焼き、わたしゃうな重。
うな重は飯の中にも鰻が潜んでいます。
あくまで国内産にこだわると云う鰻は、肝吸いまで付いてどちらも何と二千円。ヽ(^o^)丿
ビール片手に戴きまァ〜す。

ほろ酔い気分で『永石温泉』(ナゲシオンセン)目指してアーケード街を歩いていると路端に『やよい湯』とあります。
銭湯だらけの別府でこの手にイチイチ入っていてはとても身が持たないのでパスしようとしたら、カミサンはとっとと入ってしまいました。
仕方がないので表でブラブラ・・・

商店街を抜けると『永石温泉』が見えました。
と、後ろで路地にあたまを突っ込んだカミサンが何やら言っています。
指さす先には『路地裏の情緒紙屋温泉』と指さす看板。
クスグるじゃありませんか♪
もちろんご入湯。
3〜4歳のこどもに、浮かんだザボンで遊んで貰い、湯上りもご機嫌で路地裏情緒に浸ります。

コレだけ入ってもなお、目指して来た『永石温泉』を忘れないから立派です。(^^ゞ
ちなみに別府ではこの『永石温泉』などの市営浴場を晦日から3が日まで無料で開放しています。
有名な『竹瓦温泉』も無料。砂湯は別ですけどね。

今度は『不老泉』の向こう、入ったことがない『田の原温泉』に行こうと云うコトになり流川通りをテクテク登ります。
鶴見岳から吹き下ろしてくる冷えきった風に逆らって歩いていると、湯布院方面から脱出して来たのでしょうかチェーンをガチャガチャ云わせたクルマがしきりに下って来ます。
日豊本線のガードをくぐった辺りでウロウロ。通り掛かりの方に教えて貰って入浴♪

さぁて、ホテルに帰りますか。
風が当たらない日豊線高架下の商店街を通り抜け別府駅の構内にでました。
大晦日も賑やかな別府駅。
駅前のロータリーではハングルも書かれた観光案内図を囲んで談笑する韓国の方々と思しきご一家と一緒に『手湯』で遊びます。
時折冷たいビュ〜と音をたてて吹き抜け、だんだん強くなる北風に追われるようにしてホテルに戻りました。

部屋でテレビを見ているウチに眠くなり、今年の締めくくりにと館内別棟の銭湯『松之湯』に向かいます。
つい30mほど東の『海門寺温泉』や同じく50mほど北の『春日温泉』ともまた違った浴感で、これも好いお湯でした。
しかしマァ幾ら自然の恵みとは云え尋常ではない程の温泉浴場密集地であります。これはもう一つの文化と呼んで差し支えありませんね。

窓の外には雪が舞っています。明日は積もるのでしょうか。
いつしか夢の中でした。トキハデパート前をホコ天にして行われるカウントダウンイベントも楽しみにしていたのですが、酔っ払いは何だか知らないウチに年越しをしたようです。

新年初日、目が覚めると山は真っ白ですが街に雪はなく空は晴れ。東には雲が見えども佐賀関方面方向の水平地平は開いています。
『松之湯』で元旦の一番風呂を浴びて戻り、期待して待ち構えると思ったより南、山手からの日の出でした。
何はともあれ、今年の多幸を祈念し手をあわせます。


三が日はおせちだと云う事で予約しておいた朝食は、小鯛がついた立派なモノ。カミサンは美味そうにお屠蘇を戴いています。
わたしゃ貰えませんでした・・・

さぁ、二番風呂は何処に入りましょうか・・・♪
アレコレ話すうちに、小浜温泉で”脇浜”共同浴場に入りましたから別府では”浜脇”温泉に入ろうと云うシャレで話が纏まりました。
ここも市営の共同浴場でして晦日から三が日は無料。
ロビーには湯上りに歓談するおばあちゃんが一杯。
脱衣所は別府によくある浴場との間に隔壁がないスタイル。大きな浴室と相まってとっても開放的。先客のみなさんと朝の挨拶を交わしますと、何故か関西訛りが多い・・・?
別府は明治時代から定期船が海路をむすび関西との縁が深いところですから不思議ではありませんね。

そう云えば、この航路は広島にも寄港していました。
わが安芸の宮島にはこの定期船が立ち寄っていた桟橋の址が残っていますよ。
この頃の別府港はこの浜脇のすぐ北、北浜にあったそうです。
観光港に機能移転した後は楠港と云う名で呼ばれていましたが、今は先述した『ゆめタウン』が建っています。
歴史をひも解けば広島とも縁が深いなァ・・・。 とかなんとかカミサン相手に能書き垂れているウチに船を見ようと云うコトになり観光港へ向かいます。

観光港で関西から着いた大型フェリーを眺め、ターミナル内の物産店を冷やかそうとすると、伝統竹細工ギャラリー(無料)と云う案内が掛かっています。ミーハーミーハー2階に上がるおバカ。
エントランスは凝っています。無料でもあり左程期待をしていませんでしたが、コレは良い方に裏切られそうです♪
桟敷で下ごしらえをしている職人はうら若き青年でした。嬉しいですね。伝統工芸に打ち込む若者の姿。
需要が少ないと語って居ましたが、今に来るよ君の時代。

一階に降り柚子茶の接待を受け、土産物を冷やかし、プリントTシャツを品定めます。
”べっぷ”と大きくプリントしたモノがあれば欲しかったのですが、余り気を惹かれないものばかりでパス。

そろそろ腹も減ってきてご相談。
元は仕出し屋さんで、お風呂はオマケだった『いちのいで会館』に向かうコトにしました。
ここは先に入浴し、湯上りユックリ『だんご汁定食』を食すシステム。
有名になっちゃったんですネェ〜。最近値上げされて1260円になったとは聞いていたのですが、更に正月料金で1500円でした。
お風呂は露天のみで大きく東に向かって別府湾への眺望が開けるプールのような大露天と、景観も悪くはありませんが北に向いた谷間の奥の小さな滝の傍に露天風呂。こちらは蒸小屋を併設。
元旦のオトコぶろはコチラでした。
何れもコバルトブルーのお湯が特徴です。
大広間でだんご汁定食を食しているウチにボンボン雪が降って来ました。
朝の情報では大分道も雪の為に湯布院辺りで閉鎖していたようですがもう通れるのだろうか。
明日は墓参りもしたいし、年寄りに年始のご挨拶もしたいし・・・
10号線をのんびり北上するかな。
そろそろ気侭な野良寝旅も切り上げましょうね。

いやぁ〜この年越しも良く遊びました。何度か訪れた処でも行く度に別の一面をみせ、再発見とでも云うのでしょうか新鮮な驚きを与えて呉れます。
みなさん旧く感じられるかも知れませんが『ディスカバリー』ってとっても好きな言葉です。
70年代旧国鉄が『ディスカバリー・ジャパン』ってフレーズでキャンペーン繰り広げたころ青春真っ只中でした。
このポスターみて憧れましたね、北海道のラベンダー畑。

アァ〜困った、こんなに遊んだばかりなのにもうホッカイロ〜に行きたくなってきた・・・(^^ゞ


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