2012年晩秋。
春の阿蘇に桜を愛でて以来何かと障りあり、もはや梅雨時の恒例となった北の大地紀行も儘ならず、ジジババともどもウズウズしていました。

そんななか、もう直ぐ『ふるさと銀河線』が冬休みに入ると耳にしてしまうと矢も盾も堪らず電話をとります。
掛けた勢いそのままに、銀河コース最終日の午後一番を予約してしまいました。(^^ゞ
(今年から始まった”銀河コース”は陸別駅構内を飛び出し旧国鉄池北線を走るんです。)
サァ、もう後には引けません。いつまでも暑く異常に長かった夏?も終わり一気に冬の足音が近づいてきていると聞く北の大地。
そしてこの時期、北の大地に向かうためにやるべきコトは冬支度。
梅雨時と違ってお店も暇ではなくて、そうそう長居出来る訳でもないものの準備は念入りにして置きましょう。
クルマはタイヤをスタッドレスに、燃料フィルターを交換してクーラントも入れ替え、ワイパーも冬仕様に交換しました。
ヒトの方はダウンベストにダウンジャケット、インナーにはポーラテックなど積み込み寒冷対策シッカリ整え、やって来ました敦賀の港。
今年のフネは『すずらん』。 名前こそ旧来の『すずらん』ではありますが、その実この夏就航したばかりの新造船♪


とてもよく造り込まれた良いフネでしたね。
前のすいせんや小樽航路のフネも良くできたレイアウトだったのに、未だ未だ改良の余地があったんだ。
アフトデッキにはドッグランもあったりして♪
レストランも好いですよ。
この頃、高速のSA/PAでもそうなんですが、どうしてどうして中々ワルクない食事をだして呉れるようになりましたよね。
そんなこんなでご褒美の生ビール飲み干し朝食のアナウンスまでぐっすり。
船内をウロウロしたり映画を見たり昼寝をしたりしているうちに、日本海を順調に走り抜け津軽海峡に差し掛かります。
 左舷に松前半島を望み、右舷には竜飛岬を見上げ、去年6月に海峡を往くフェリーを見下ろした展望台方向を今年はフェリーからパチリ。
暫く行き交う貨物船や操業中の漁船を眺めていればつるべ落としに暮れゆく津軽海峡。
秋ですね。夏場ならマダマダ明るいのですが・・・
左舷側に見えてきた函館山や函館の街灯りがとっても綺麗。
フネは恵山岬を廻り込み、風が吹き上がりチョッと波も高まってきた漆黒の海を苫小牧に向かって一直線。
フェリーを降りたら道東道に飛び乗り十勝平野までビュン!とも話していたのですが、折りしも強風波浪注意報。強風と云えばやっぱり襟裳。
久々にバンコンでの渡道。吹き荒ぶ襟裳岬も面白かろうということで南下を決めます。
強風を楽しもうなんてバンコンの強みですね。
地元ナンバーの方々のペースはとても速く、前後二〜三台づつの群れの中に身を任せていると二時間半ほどで襟裳岬に着きました。
結構な距離でして、広島なら3〜4時間の旅程なのですが・・・(^^ゞ
さてさて襟裳岬。
目論見通り風は猛烈に吹き荒べども、思いのほかチッとも寒くないな。
いったいいま何℃なんだろう?
なんと12℃もありました。
灯台脇の駐車場で土産物店の風下に入り、新品のスカイライトから満天の星を見上げてオヤスミ。
目覚めると小雨。
”降る”と云うより横向きに”飛んで”いましたよ。
風は更に吹き上がりクルマは絶えずブルブル・ユサユサと大揺れなものの土産物店には従業員さんが続々出勤してきて開店準備を始めます。
エリモの人たちはコレ位平気なんですね。
其れに付けても暖かい・・・
でも立っておれないほどの強風に岬まで歩くのは諦めました。

遅い朝食を済ませ百人浜に下ります。浜には猛烈な波が打ち寄せていますよ。
夏場の穏やかな風景と違い、厳しい季節の到来を思わせる光景でした。
えりも町を離れ、黄金道路を北上します。
何年振りかなフンペの滝。
海岸の岩肌の間からドウドウと清水が吹出します。
って、おや?一本だけ??
随分水量が少ないな・・・
さらに北上して釧路湿原を目指します。
ひたすらR238を走り、去年入った強烈なヨードチンキの香りな晩成温泉の傍を通り抜けひたすら海岸線。
浦幌で左折です左折ですR38に出ましょうよと繰り返すナビを黙殺して海岸線を直進。
昆布石展望台を通り直別で沿岸に出てきたR38に合流。
これで、北海道をぐるりと廻る外周走覇にはR231浜益〜増毛〜留萌間の55キロを残すのみとなりましたよ♪
あっちフラフラこっちフラフラしながらも釧路の街に。
でもね釧路は目的地じゃないんです。今日のメインは厚岸の旨い牡蠣。
ソレやコレやで釧路の街を通過してノンビリ走り厚岸まで来たモノのそれでも晩飯には未だ未だ早すぎて・・・
お気に入りの霧多布まで脚を延ばしましょう。
厚岸大橋を渡りあやめヶ原の脇を通り琵琶瀬を見下ろし霧多布の岬まで来ました。
岬に立ちその名の通りの霧たつ岬を全身で感じていると海から押し寄せる霧でスッカリ冷やされます。
冷えた身体は『霧多布温泉ゆうゆ』で暖めホッコリほかほか♪
さて、厚岸に戻りましょうか。
霧多布湿原のど真ん中をユルユル通り抜け、R44に出て速い速い流れの車群に混じればアッと云う間に『厚岸グルメパーク』。
ココの二階には『魚介市場』。
どれもとれとれの海鮮を好きなだけ買い、そのまま隣の『炭焼あぶりや』で ジュウジュウ焼いて喰うんです♪
大ぶりな牡蠣にホッキに帆立にあわび。
カミサン何を思ったのやら地元牛のサーロインまで掴んできています。
何はともあれ焼きましょう♪

何だか牡蠣が小さく見えますが違いマス! 横で口を開くホッキやホタテがデカいんです。
あっ!ビールはアルコールフリーですよ。勿論
旨いですね、低い水温を耐え抜き立派に育った牡蠣。
生れながらの広島人が言い放つのも何ですが、”牡蠣は厚岸”だな。(^^ゞ
海鮮を満喫して厚岸を離れます。
今夜の寝床は釧路湿原『塘路の宿』。
明日は気持ちの良い空模様になりそうと、さっき霧多布から電話して早朝のカヌー散歩をお願いしたんです。
「鹿の飛び出しに気を付けてね。」というお元気マダムの言葉に気を引き締め、去年教えて貰った道を逆コースでスイスイ走りお馴染みの塘路湖畔にでて駅前をかすめて塘路の宿。
この旅初の揺れないベッドでオヤスミ♪
アサァ〜
湿原の朝はやっぱカヌーしょ!
今回はコッタロ原野の水を集めて流れるコッタロ川からパドリング。

東の空が赤く焼けてきましたよ。

シラルトロ湖に集う白鳥の声を聞きながらコッタロ川をゆったり下り、朝日が顔を出すころ釧路川に出ます。

クッチャロ原野の中を下り塘路湖の流れだしに漕ぎ入りましょう。
流れだしといっても穏やかなもの。

河畔には山ブドウも綺麗に紅葉していていたりなんかして♪

川からしか収穫できない山ぶどう♪
たわわに実っているんだな。

秋色に染まる塘路の宿。
画像クリックで初夏の塘路の宿→

その塘路の宿に戻りさっきカヌーから見上げた辺りをパチリ。

遅めに戴く美味しい朝食♪
さっき見た山ブドウでお元気マダムが造ったジャムがありますよ。
マダム手焼きのパンも厚岸森高牧場の作と聞くチーズも旨かった。
『塘路の宿』をお暇しユルリと北に向かいます。
と、ここで路端に二羽のタンチョウ。
クルマを停めレンズを向けますが警戒する風もなくユックリと撮らせて呉れました。

流石、釧路湿原なんだよな〜と話しながら走っていると今度は『風牧場』という看板が目につきます。
アラ、これは今朝飲んだ滅法旨いヨーグルトのお里じゃないの?
確か、お元気マダムが『ヨーグルトは風@@』って言ってたような・・・?
何はともあれ覗いてみましょう。
当たり!
飲むヨーグルト四本と風のヨーグルト二本買って冷蔵庫に♪
とっても真面目に造っておられるようですよ『風牧場』のヨーグルト。
さらに北上します。
大好きな屈斜路湖。木々は紅葉しているモノの結構緑も多いな。
お楽しみはお馴染み湖畔の露天風呂『コタン温泉』。

何とナントこれからの時期白鳥との混浴を楽しめます♪
鼻先を白鳥が飛ぶ。
日本国内に名湯あまた。
色々なお湯を戴いてきましたが、ここまでの風雅を味わせて呉れるお風呂は稀有ですね。
期間は限定ですが・・・
紅葉の湖畔をさらに北上します。
砂湯温泉に立ち寄ると、この旅で初めて聞く中国語。
お品は良かったし、バスに掲げた団体名に高雄の文字も見えたのでどうも台湾の方々のようですよ。
さらに北上を始めます。清里の市街に入ると道の駅の表示。
『パパスランド』と書いてありますがなんて意味でしょう。温泉とも書いてあるのでコレは是非入ってみましょうね。
さらりとしたお湯でした。
斜里岳の裾野を走り目当ては大好きな来運の水。
斜里岳に降り積もった雪が十数年を経てここに湧き出すという摂氏六度の冷たい水。
ボトルに汲み碁盤の目に切られた道を縫い斜里の市街地をパスして朱円でR334にでて知床半島にはいりました。
『鮭鱒遡上観察施設』という看板を、いつも横目に眺めていた遠音別川。
なるほど、川辺にはデッキが設えられていますね。
でもね、川底に沈んでいたりカモメがつついている骸しか見当たりません。
パス! もっと有力な情報があるんだもん♪
何だかんだでことしもウトロにやってきました。
夕陽台に上ぼるもののさすがに国設野営場は9月一杯で冬休みに入っていましたよ。
何度か泊まった『夕陽の当たる家』も冬季休業なんだな。
マァいいでしょう。ユックリ温泉に入って夕陽台某所でオヤスミ♪
|